成長率:2025年第3四半期のGDP成長率は 4% にとどまり、過去4年以上で最も低い水準(パンデミック期を除く)。第2四半期の 5.5%、前年同期の 5.2% から大幅に減速。
主因:国家インフラ事業に絡む 汚職スキャンダル により公共建設が停滞し、投資と消費者信頼感が低下。
家計消費:GDPの約70%を占める民間消費は 4.1% に鈍化。台風による活動停止や汚職調査の影響で消費者心理が悪化。
政府支出:政府支出は 5.8% 増加したが、公共建設は 26.2%減 と急落。2011年以来最大の落ち込み。
投資:総資本形成は 2.8%減。前年の大幅増から反転。
産業別動向:
工業:成長率はわずか 0.7%(前年は5%)。
サービス業: 5.5% に減速。
農業: 2.8% 増加し、前年の減少から回復。
外需:輸出は改善したが、他部門の低迷で効果は限定的。
予測:2025年のGDP成長率は 4.9%前後 と見込まれ、政府目標の 5.5~6.5% 達成は困難。
政策見通し:フィリピン中央銀行(BSP)は2024年8月以降、計175bpの利下げを実施。今後も需要下支えのため追加緩和が予想される。
含意
短期的:汚職調査が収束し、ガバナンスが改善するまで回復は難しい。
中期的:インフラ支出の改革と制度強化が投資家信頼回復の鍵。
リスク:今四半期も台風が消費活動を抑制する可能性。
機会:年末の送金増加に伴う消費拡大が一時的な支えとなる見込み。


